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第5回 「男達」と「仲間」
 7月12日(火)の産経新聞によると、<船舶模型展のチラシ表現「男達」を「仲間」に変更 岡山> という見出しの下に、次のように書かれている。
<岡山市デジタルミュージアムで24日まで開かれている県内初の大規模な船舶模型展示で、チラシに使った「船を愛する男達」のキャッチフレーズが、施設側の「ふさわしくないのでは」という指摘で、ポスターは「船を愛する仲間」の表現に変更されたことがわかった>
<主催は岡山船舶模型クラブと同施設など。今回は参加団体のメンバーは全員、船好きの男性ばかりとあって、同クラブでは開催に向けて日ごろの思いを込めて「船を愛する男達」をキャッチフレーズに、手作りのチラシを制作した。ところが、このフレーズに対して、施設側が「船や海にかかわったのは男だけではない」と指摘。「見る人にどう受け止められるか」という意見をクラブ側に伝えたため、ポスターは「男達」ではなく、「仲間」の表現に変更したという。同クラブは「仲間の表現でも船を愛する思いは変わらない」としているが、メンバーの一部は「男達の表現がダメというなら、女子会の女子もダメということか」と反論している。>
 問題点を指摘した施設側の「岡山デジタルミュージアム」の見識に敬意を表したい。

岡山船舶模型クラブの一部の会員が <男達の表現がダメというなら、女子会の女子もダメということか> と反論しているということだが、同じ岡山県人として情けないとしか言いようがない。

 反論している会員の人達は、何故、「チェアマン」が「チェアパースン」に、「ビジネスマン」が「ビジネスパースン」に、「カメラマン」が「フォトグラファー」に、また逆に、「看護婦」が「看護師」に、「保母」が「保育士」に言い換えられることになったのか理解していない。つまり、ジェンダーについての理解が、全くないと言ってよい。

 男女が平等で対等でなかった時代の中で生み出され、慣習化している言葉ではなく、男女平等をめざす社会的潮流の中で生み出された、価値中立的(非性差別的)な言葉で表現することの大切さを学ぶことが必要。

 反論した一部会員は、女性団体が、「処女作」や「処女航海」という表現に強く抗議している事実を、たぶん知らないだろうし、何故抗議するのかも理解できないだろう。「処女作」→「デビュー作」、「処女航海」→「初航海」と言い換えることの意味を考えるべき。

ここであえて、言っておかなければならないのは、<「船を愛する女達」> というフレーズは成立するということである。このフレーズに違和感がなくなる時に、<「船を愛する男達」> というフレーズも社会的に認知されるだろう。その時には、「男達」、「女達」という言葉の中に、平等で対等な男女の「仲間」が存在している。
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