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第169回 「アリさんマークの引越社 」の度し難い差別事件

○プレカリアートユニオン組合員に対する差別事件

赤井英和のCMでも知られている「アリさんマークの引越社」で度し難い差別事件が起こっている。

ひとつは、「アリ地獄」と言われるほど劣悪な労働条件の改善に立ち上がったプレカリアートユニオン組合員に対する不当な懲戒解雇事件。
この男性社員が復職を克ち取った後、職場に別紙,里茲Δ陛修蟷罎魴納┐靴榛絞姪な行為である。

差別的な貼り紙

「北朝鮮人は帰れ!」――異常としか思えない「在特会」が企業化したようなブラック&ヘイト企業を徹底的に批判し、男性社員を支援すべし。

○「アリさんマークの引越社」――差別的な採用面接注意事項

二つめは、前記事件の過程で明らかになった管理職研修の差別的な内容だ。(元支店長で東京人事部採用担当の男性が暴露した。)参加者のメモが残されている。そこには角田取締役、井ノ口晃平副社長らによる度し難い差別的採用面接注意事項が記されている。





 上に掲げた別紙◆∧婿罩をみてほしいが、「三国人→朝鮮人や韓国人」「ヨツ、ミツ(意味不明/筆者註)部落」「×てんかん」「×外国人」「障害者(級により診断書)」などと、在日韓国・朝鮮人差別、部落差別、「てんかん」差別、外国人(国籍)差別、そして障害者差別など、ありとあらゆる差別を、採用時に行うよう“指導”している。


○ネット上で拡がる「引越社」への抗議

このブラック&ヘイト企業「アリさんマークの引越し社」と闘っているプレカリアートユニオン組合員の男性に対し、多くの励ましの声が寄せられている。「アリさんマークの引越社」の差別に対する抗議のコメントも、インターネットのサイト上にあふれている。
 
水谷 明 2015/10/11
やっぱりこの会社はグズだな。労働組合員を中傷 批判するどころか 人種差別 部落差別 組合員に着せているオレンジ色の服など様々な人権差別を会社指導の元で教育している集団である!部落解放同盟の方もこの集団に対して共に闘いましょう!


アリ怖い 2015/10/11
この会社完全にアウトです。会社の研修で部落差別や人種差別って考えられない事してますね。何か変な集団なの?こんな集団に引越依頼して家の間取りや 住所 電話番号が知られるのが怖い。個人情報とか本当に大丈夫なのかな?

組合員 2015/10/11
引越社もうダメだな 在職中のドライバーの方は早く洗脳から抜けだして未払い残業代や弁償金がある方は 組合員Aさんと共に請求するべきです。

排斥軍団の方々へ 2015/10/11
これはいつの時代の話? 朝鮮総連や部落解放同盟に教えてあげてください。自分たちの利益のためなら何でもする邪悪な集団。これはひどい。外国人記者クラブにもご連絡を。日本が全世界に恥をさらすことになります。差別に苦しむ人の心をナイフでえぐるようなひどい事実に最大限の抗議をします。あなたたちには家族はいないのか?大きな反省を求めます。社会を馬鹿にするな。

ベイブルース 2015/010/13
このカルト集団 引越社関西で従業員による裁判が始まります。元大阪府知事 現大阪市長の橋下市長は 私と同じ中学校の卒業生で同和教育を受けておりましたが 今だに就職などで同和差別が 行われている事をどう考えているのでしょう。30年以上前に就職差別あると教えられていましたが 今だこのカルト集団は行っています。



 一部コメントを紹介したが、部落解放同盟に共闘を呼び掛けている。
では、部落解放同盟は、この事件と呼び掛けにいかに応えているのか。
ネットニュース“探偵watch”は次のように報じている。


○「問題解決に向けて取り組むよう厚生労働省に要請」???

部落解放同盟中央本部に話を聞いた。主に以下の2点が、今回の件を不当と見なす根拠になるのではないかという。職業安定法第3条「何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない」。労働基準法第3条「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」。(中略)なお、部落解放同盟では今回の問題を把握しているそうだ。問題解決に向けて取り組むよう、10月13日に厚生労働省に要請したという。
(探偵watch 10月14日 http://tanteiwatch.com/26758 より転載)


「職業安定法第3条と労働基準法第3条が、今回の件を不当と見なす根拠になるのではないか」と語り、「なお、部落解放同盟では今回の問題を把握しているそうだ。問題解決に向け取り組むよう、10月13日に厚生労働省に要請したという」と、最後に記されている。
  今回の事件は、部落差別事件でもあり、部落解放同盟にとって、法律に違反しているかどうかの問題ではなく、社会的糾弾をするかどうかの問題だろう。同じく差別されている、他の被差別団体および支援者たちとともに共闘を組み、事実確認を経て、徹底糾弾すべき差別事件ではないのか。
記事が事実とすれば、拙著『部落解放同盟「糾弾」史』(ちくま新書)で筆者が懸念し、批判した事態が、より一層深刻化している。「アリさんマークの引越社」差別事件は、今、解放同盟中央本部が事実確認会をしている「市町村アカデミー」の差別研修と比べようがないほど悪質かつ犯罪的だ。今回の「アリさんマークの引越社」の差別を糾弾しないで、何を糾弾するというのか。「厚生労働省に要請した」などと、眠たいコメントをしている場合かと思う。マスコミや公的機関、そして従順な大手企業を相手に、能書きを垂れている場合ではない。「内容なき抗議は空虚であり、思想なき糾弾は邪道である」。


○朝日新聞に対する申し入れ

 そう言えば、部落解放同盟中央本部の委員長・組坂と教宣広報部長・赤井の名で、今年の5月18日付「朝日新聞夕刊」に掲載した、名古屋名物・味噌カツが看板メニューのチェーン店「矢場とん」の記事中に就職差別がある、と指摘した申し入れをおこなっている。
「私たちが就職差別撤廃を求めて運動し、法制度上保障してきた『公正な採用選考の取り組み』を否定するものであり、強く抗議するものです。」と“要請と申し入れについて” には記してある。
朝日新聞社には抗議するが、より悪質なブラックヘイト企業の「アリさんマークの引越社」には厚生労働省に要請するだけでは、情けないを通り越して運動団体としての体をなしていないと言われても反論できない。


 ところで、「アリさんマークの引越社」のテレビCMに出演しているタレント赤井英和の所属事務所は、今回の事態を知った上で、以下のような対応をしているという。(探偵watch)
 
引越社のCMに出演する、タレントの赤井英和氏の動向も注目されている。CM出演が原因で、赤井氏の評判等にも影響が及ぶのではないかという懸念も聞かれる。赤井氏が所属するプランニング・メイによると、一連の騒動は把握しているという。だが、CMへの出演に関して特に問題はないと判断しており、赤井氏本人も全く気にしていないとのこと。引越社との契約ならびにCMへの出演は、今後も継続する方針であるという。

大阪の西成で生まれ育った赤井氏が部落差別を知らないわけがないと思うのだが……。

○紀伊國屋書店採用差別事件

かつて32年前の1983年、紀伊國屋書店の人事部が、採用にあたってのマル秘注意事項として、「ブス、チビ、デブ、カッペ、メガネ」などと記した差別マニュアルを作成していたことが発覚した。当時の社会党副委員長土井たか子議員が国会でも取り上げ、大きな社会問題となった事件である。
これは就職差別でもあるが、その核心は女性差別だった。当時、紀伊國屋書店糾弾の共闘会議に解放同盟から派遣されて、共に闘った記憶がある。
いま解放同盟中央本部は、市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)の差別的研修に対して、事実確認会を行っているようだが、喫緊に要請されているのは、ブラック&ヘイト企業「アリさんマークの引越社」に対する徹底的糾弾だろう。厚生労働省に要請するような日和見ではなく、社会的糾弾をこそ断行すべきなのである。



 
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