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第178回 「全国部落調査」なる差別犯罪本
<不当な除名処分を糾す/その2>を書く前に、大変な事件が起こっているので、まず、この問題を先に書き、その差別性、犯罪性を糾弾する。
 
○「全国部落調査」なる差別犯罪本

 知人からの知らせで、「全国部落調査」なる、悪質な差別本が、アマゾンに予約出品されていることを知る。内容紹介に、「部落地名総鑑の原点、昭和11年3月に発行された幻の書『全国部落調査』を復刻」とある。出版元は、示現舎(しげんしゃ)という、部落差別、在日韓国・朝鮮人差別、アイヌ民族差別などを公然と行うレイシスト組織。
 この「全国部落調査」なる本は、書店・取次店を含め、取り扱うこと自体が差別的犯罪行為に当たる。
発行元の示現舎は、「私のところに部落解放同盟から直接抗議はきてないけど?」と、うそぶいている。事実、今の中央本部に直接抗議できるような根性のある活動家はいない(「アリさんマークの引越社」差別事件に対する対応も同じ)。さらに、ヘイトスピーチに対するカウンター行動にすら、ビビッているのだから、舐められているのである。かといって、このまま放置はできない。

 
○差別犯罪行為を「画期的な出版」と讃える上原

 看過できないのは、上原善広がこの犯罪本を「画期的な出版」と褒め上げていることだ。
 上原は、2月8日のツイッターで次のように書き込んでいる。


「ごく一部で話題の『全国部落調査』(示現舎)ですが、路地の人々が誇りを取り戻すという意味では画期的な出版でしょう。悪用する人が多ければ、それだけ差別があるということ。これをきっかけに、路地について学ぶ人が多くなればいいですね。」

 『橋下徹現象と部落差別』(宮崎学氏との共著)のなかで詳述しているが、上原は、一連の橋下徹部落差別事件の張本人でもある。中央本部(地方の当該県連とは違う)の、中途半端で腰の引けた“抗議”が、上原を増長させている。糾弾できないのなら、中央本部は解散しろといいたい。


 ちなみに、「部落地名総鑑を保持し、配布しただけでは人権侵害にならない」と広島法務局幹部が発言し、大問題になったのは2014年である。このときは広島県連を中心に厳しい追及がなされている。(この事件についてはweb連載バックナンバー138〜140回「広島法務局人権擁護部長の差別的暴論を糾す´↓」を参照してほしい)。

 
○アマゾンと「全国部落調査」

 この「全国部落調査」についてアマゾンの予約注文(現在は抗議により削除されている)の内容紹介には、以下のように書かれていた。

 【内容紹介】(※アマゾン予約注文サイトに掲げられていた)

 部落地名総鑑の原典、昭和31年3月に発行された幻の書「全国部落調査」を復刻。5360余の部落の当時の地名に加え、現在地名を出来る限り掲載。本書は未完成と言えるものです。読者各位のさらなる研究を期待します。
 
 つまり、明確に、差別図書「部落地名総鑑」を意識して、全国の被差別部落の所在地をさらすという信じられない差別行為を、目的意識的に行おうとしているのである。人の出自(住民票・戸籍抄本などを含む)を当人及び地域住民の了解なしに暴く行為そのものが犯罪だということなのだ。

 
アマゾンは表示削除したものの……

 アマゾンは、学者や教育者など人権活動家の抗議で、予約注文の表示を削除したが、すでに受け付けた数十冊の注文を破棄しなければならない。さらに、取次書店はもとより書店も、直販ルートがあるなしに関わらず、販売することそのものが犯罪なのだという自覚のもとに、示現舎の要請を拒否しなければならない。
「紀伊國屋書店、(高松市に本部をおく)宮脇書店が直販で取り扱ってくれる」と、示現舎は期待しているようだが、それは当然のことながら当該書店から断られるだろう。
 
この件については現在進行形なので、次回また経過報告を含め報告していきたい。


 
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