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第23回 沖縄防衛局長暴言の背後にあるもの
 11月28日の夜、田中聡沖縄防衛局長の呼び掛けで行なわれた、オフレコ(非公式)記者懇談会の席で起きた舌禍事件。環境影響評価(アセスメント)の「評価書」の年内提出を問われて、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と女性差別的暴言を吐いたという事件だが、田中局長は即日更迭された。

 報道陣に更迭を発表している一川保夫防衛相は緊張していたが、それは、これから我が身に降りかかる災厄を予期してのことだろう。

 就任早々に、「安全保障に関しては素人だが(筆者註:ちなみに一川氏は元農水官僚)、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と無知丸出しの発言を行ない、1回目の顰蹙を買っている。2回目は、先頃国賓として来日し、東日本大地震の被災地を訪ねるなど、日本国民に癒しをもたらしてくれた、ブータン国王夫妻を歓迎する宮中晩餐会を欠席した理由。あろうことか、日本・ブータン友好議員連盟副会長を務める高橋千秋民主党議員の政治資金パーティーに出席し、「ブータン国王が来て宮中で催し物があるが、わたしはこちらの方が大事だ」とうそぶき、顰蹙を買っている。

 こんな一川を防衛大臣にした野田総理の任命責任が問われるのは当たり前のことだ。こんな大臣の下だからこそ、官僚もナメ切って上記のような発言を、しかも本音が出たということだろう。
私は11月29日のブログに、
「7時のNHKニュースは、沖縄防衛局長のオフレコ発言問題をトップで報じている。田中防衛局長は、更迭された。しかし、発言内容の品性のなさに、嫌悪感を持つのは当然だが、重要な事は、公的な場ではなくオフレコ会合では、このような女性差別的比喩が、まさに匿名を隠れ蓑にしたインターネット上の差別言動のように、普段からなされていた現実が明るみに出たところにある。オフレコ発言を問題視して告発した、琉球新報記者の勇気に敬意を表すとともに、記者の孤立化と、今後の取材に不利がないように、マスコミと社会全体で見守る必要がある。」
と書いたが、少し付け加えたい。

 1995年9月に沖縄で起きた少女暴行事件後に、リチャード・マッキー米太平洋軍司令官(海軍大将)が、この暴行事件をめぐり、「全くばかげている。私が何度も言っているように、彼らは車を借りる金で女が買えた」と発言し、更迭されているが、今回の暴言もこの延長線上にあり、同じ沖縄に対する蔑視感情から発せられた侮辱発言と言わねばならない。

 田中防衛局長は、単に男だから女性差別的発言をしたのではない。米軍支配に従属する現場監督的意識が、今回の女性差別発言の背後にはある。沖縄に対する差別意識が女性差別として表出した、二重の差別発言だ。

 日本の陸地面積のわずか0.6%を占めるに過ぎない沖縄県に、在日米軍基地の74%が集中している政治的差別の現実を見据えたうえで、今回の暴言を批判すべきだ。

 「ノーズロ」発言で品格を問われ、厳重注意処分を受けた山岡国家公安委員長といい、軽佻浮薄のヤカラを大臣に据えた野田政権の前途は暗いし、期待もできない。

 大阪で、橋下徹率いる維新の会が、喝采を浴び圧勝する原因は、政治的閉塞情況を生み出している、これら政治家の貧困さの中にある。
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